ミトコンドリアは植物の呼吸を担う大切な細胞小器官である。ミトコンドリアの呼吸機能は内膜に組み込まれた呼吸鎖膜タンパク質複合体によって支配されることが分かっている。一方、内膜はホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピンなどのリン脂質を含んでいるが、特に、ホスファチジルエタノールアミンは脂質二重膜構造を不安定化するにもかかわらず、内膜に大量に含まれている。本研究では、シロイヌナズナのホスファチジルエタノールアミン生合成変異株pect1-4を用いて、ホスファチジルエタノールアミンが内膜のシトクロムオキシダーゼ活性維持に必要であることを見いだした。
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