植物の化学多様性は、種、系統等に固有の多様な物質代謝(特異代謝)を有することによる。これらの特異代謝は種を超えて普遍的に存在する中心代謝の産物・中間体から派生する。これまで中心代謝から特異代謝への代謝配分の制御のしくみについてはよく知られていなかった。アミノ酸(リジン、オルニチンおよびトリプトファン)の代謝経路からキノリチジンアルカロイド、ニコチンアルカロイドおよびインドールアルカロイドなどの生合成への分岐点となるアミノ酸脱炭酸及びそれに続く酸化反応について、各触媒酵素を分子生物学的に解析するとともにそれぞれの触媒酵素遺伝子の発現制御やタンパクレベルでの代謝配分調節機構について調べた。
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