研究課題/領域番号 |
24570047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
槻木 竜二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50303805)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 植物幹細胞 |
研究概要 |
シロイヌナズナVAH遺伝子が、幹細胞などで特異的に発現するWOXファミリー遺伝子の発現を負に制御していることを明らかにしている。VAHの機能解析から、植物幹細胞の分化状態の制御に迫るべく、研究を進めている。 1)VAHタンパク質複合体の構成因子の候補を同定した。VAHと物理的に相互作用するものとして、動物などでクロマチンリモデリングに関わることが示されているタンパク質因子を同定した。また、同クロマチンリモデリング因子は、転写に関わる他の因子と物理的に相互作用することが動物などで知られていた。そこで、シロイヌナズナの同転写因子と同クロマチンリモデリング因子との物理的相互作用を解析した。その結果、これら因子は物理的に相互作用しうることを確認した。以上から、VAHは、このクロマチンリモデリング因子を介して、転写に関わる因子と相互作用することが示唆された。 2)VAH遺伝子と上記転写因子をコードする遺伝子との間に遺伝学的相互作用があることを確認した。 これら1)、2)から、VAHは転写の機能調節に関わる可能性が示唆された。 3)vah変異体で見られる根端の異常が、vah wox多重変異体で部分的に抑制されることを見出した。同WOX遺伝子は、vah変異体では異所的に発現上昇していることもすでに明らかにしている。これらから、VAH遺伝子は、WOX遺伝子を負に調節することにより、根の発生の調節を行っていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、VAHと共に働く候補因子の同定に成功しており、おおむね順調に研究が進んでいると考えている。VAHだけでなく、これらVAHと共に働く候補因子は、植物の発生過程に関わるものとしては、これまでほとんど解析されていない。本研究を、現在までの成果を基盤として進めることにより、植物発生の基本機構に関する新規な知見が得られると期待される。VAHの機能を明らかにするため、VAHとこれら因子の解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究から、VAHと共に働く因子の候補を同定し、VAHが転写の調節に関わることが示唆されている。これらを踏まえ、以下の解析を進める。 1)VAHと共に働く候補因子をコードする遺伝子の機能欠損変異体を解析すると共に、VAH遺伝子との遺伝学的相互作用を解析する。 2)VAHと相互作用する因子を網羅的に同定するため、VAHタンパク質複合体を精製し、構成因子を同定する。 3)VAHは、クロマチンリモデリング因子を介して、ある転写因子と相互作用していることが示唆されている。そこで、VAH遺伝子とこの転写因子遺伝子との遺伝学的相互作用を詳細に解析する。形態的な表現型や幹細胞の分化状態、WOX遺伝子発現に着目して解析する。 4)VAHは分子シャペロンとも物理的に相互作用することを明らかにしつつある。また、最近の研究から、同分子シャペロンは上記転写因子の機能調節に関わることが示されている。これらから、VAHと分子シャペロン、この転写因子の関係を、植物の幹細胞分化制御、WOX遺伝子の発現制御という文脈から解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在までに、本研究で解析すべき遺伝子が多く同定されている。複数の遺伝子に対し、発現解析、遺伝子操作、形質転換体の作出と栽培、解析など、多岐の実験を行う必要がある。また、各種変異体の遺伝子型の決定とその表現型解析も平行して進める必要がある。これらを円滑に推進し、研究を大きく前進させるため、技術補佐員を雇用する。研究費をそのための人件費に使用する。また、研究に必要な実験試薬に使用する。
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