植物は、踏み付けなどの物理的ストレスの有無に応じて速やかに体サイズを変化させる。その際、比較的多くの植物種において体サイズの縮小・拡大に連動して植物体内窒素の濃縮・希釈と光合成能力の増大・低下が起こる。特に匍匐茎・地下茎をもつ多年生クローナル植物で連動的変化が成立しやすく、逆に、物理的ストレス耐性が低い植物では、連動的変化の成立範囲が極めて狭い、あるいは結果が不安定、などの傾向があった。 物理的ストレス下では小型化即ち葉面積の減少により個体・群落全体としての光合成生産量は低下する。一方で、小型化には植物体の生存可能性の向上、単位面積当たりの光合成速度の向上というメリットもあることが分かった。
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