今年度は以下の研究を中心に行った。 1)これまでにグルタミン酸によるPR1の発現が、サリチル酸合成に起因することを明らかにしたが、今回はグルタミン酸がサリチル酸合成系酵素遺伝子であるICS1の発現を誘導するか否かを検討した。その結果、グルタミン酸は、PR1の発現に先行して早い時間帯にICS1の発現を誘導することが明らかにされた。また、この発現はグルタミン酸処理後5時間をピークとした一過性を示した。 2)グルタミン酸による気孔閉鎖にABAシグナルが関与することを明らかにしてきたが、このことはサリチル酸によるABAの合成に起因しているものと推測した。そこで、シロイヌナズナのABA欠損変異体aba2におけるグルタミン酸による気孔閉鎖応答を調査したところ、野生型と同様な応答を示した。 3)グルタミン酸、グリシンがPR1の発現を促すが、他のアミノ酸による効果についても検討を行った。その結果、システインに大変強いPR1発現活性が認められ、24時間処理では、細胞死のような渇変反応が認められた。また、セリン、プロリンにもPR1発現活性が認められた。
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