• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

高等植物の多様なRNAサイレンシング経路の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 24570062
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

星野 敦  基礎生物学研究所, 多様性生物学研究室, 助教 (80312205)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードRNAサイレンシング / 遺伝子発現調節 / small RNA / 植物 / 花 / アサガオ
研究実績の概要

高等植物におけるRNAサイレンシングと遺伝子発現の制御機構の解明を目的として、低分子RNAによる花色遺伝子の発現抑制が関与するアサガオの模様形成機構を解析した。
アサガオの吹雪変異体は、野生型の濃色地に淡色の縞模様の花を咲かせる。この吹雪変異体と無地の花を咲かせる標準系統を交配して得た第2世代(F2)植物では、吹雪と無地のほか、花の周縁が淡色になる車絞(覆輪)模様が出現する。その分子遺伝学的な解析から、これらの模様が花の着色に関連する1つの遺伝子座に支配されている可能性が示唆された。一方、吹雪系統の中から、吹雪と車絞の花を咲き分ける1個体を得ることができた。このような咲き分けの出現は、これまでの古典遺伝学解析の報告にはない予想外の現象である。その表現型からはトランスポゾンの転移のような突然変異か、エピジェネティックな変化の関与が推測され、これらの現象が吹雪と車絞の違いを支配していることが示唆された。また、吹雪変異体の花から濃色細胞と淡色細胞を分けてサンプリングしたRNAについて、次世代シークエンサー(NGS)による塩基配列の解析(RNA-seq)を行った。
また、新学術領域「ゲノム支援」の協力により、吹雪変異の解析に必要なアサガオのゲノム解読を進めた。昨年度までに得られていたNGSのデータに加えて、新たに高性能なプラットフォームのNGSが利用可能となり、そのデータを追加することができた。これらのデータを計算機で解析することで、想定していた水準(コンティグ10kb、スキャフォールド100kb)をはるかに上回る高精度なゲノム配列が得られつつある。また、これまでに得られていた標準系統のRNA-seqのデータについて、計算機による解析を行い、花弁で発現する転写産物の配列や、そのうち花弁に特異的な配列などを取得することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

吹雪変異体で予想外の現象が観察され、その検証などが必要になったため。また、アサガオのゲノムや転写産物の配列の情報を利用した吹雪変異体の解析に時間を要しているため。

今後の研究の推進方策

花の模様(吹雪、車絞、無地)を支配していることが示唆された遺伝子について、模様の違いとの関連を分子生物学的な手法で検討する。また、吹雪と車絞の花を咲き分けが出現した原因を明らかにするために、咲き分ける個体とその次世代についても解析する。さらに、ゲノム解読を完了させて、その情報や吹雪変異体のRNA-seqのデータからRNAi経路について解析する。これまでの結果を統合して、RNAサイレンシングによる模様形成機構を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

これまで解析してきた吹雪変異系統で予想外の現象が現れ、その解析が必要であるため。また、アサガオのゲノム解読に高性能な機器が使えたことで、その完了時期が延期されたため。

次年度使用額の使用計画

模様形成に関わる遺伝子の解析や、ゲノムの解読結果の取りまとめなどに充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 基礎生物学研究所多様性生物学研究室

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/hoshino/

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi