キスペプチンは哺乳類の生殖制御においては中心的な役割を果たすが、哺乳類以外の脊椎動物における機能はこれとは異なる可能性があり、未解明である。ヒトでGPR74がKISS1を受容しうるとする報告を踏まえ、メダカのGPR74と、これと関連の深いGPR147に関して、培養細胞系を用いてシグナル伝達機構を解析した。この結果、メダカのGPR74/GPR147は本来のリガンドNPFF/RFRPに対し、濃度により二相性の応答を細胞に惹き起こす可能性が示された。このことからメダカのNPFF/RFRP とGPR74/GPR147の間には、細胞の反応を一定の範囲内に保つ機構が内在する可能性が示唆された。
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