研究課題
本研究では、クサフグにおける半月周性の産卵リズムの形成機構を明らかにするため、半月周リズムに重要な役割をもつと考えられる15時間周期の新規体内時計の分子機構を解析すると共に、そのリズムの可塑性として、発生・成長段階におけるリズムの形成過程を解析する。平成24-26年度までの研究成果として、新規体内時計の分子機構について、MelR遺伝子プロモーター(6kb)にEGFPをつないだDNAを作製した。また、月齢の計時への関与が示唆されている概日時計遺伝子であるクリプトクロームが、間脳において日周、概日および月周変動することを明らかにした。さらに、RNAシークエンスによる15時間周期の発現変動遺伝子の網羅的同定のために、松果体および間脳試料を調製した。リズムの可塑性については、クサフグの人工授精、初期発生、その後の胚から成体までの飼育条件を確立し、仔魚における周期的発現解析用試料を調製した。以上の成果を基にして、平成27年度では、下の4つの研究を実施し、研究成果を得た。1)受精卵にMelR遺伝子発現解析用DNAを微量注射して、胚における発現を解析した結果、受精後2-3日後の体側部の細胞でEGFPが検出されたが、脳では検出されなかった。2)間脳において、キスペプチンやGnRH、GnIHの遺伝子の発現量が月周変動をすることが明らかになった。3)松果体試料はRNAシークエンスに必要な量が得られなかった。しかし、間脳でもMelR遺伝子が15時間周期で変動することがわかったため、間脳試料の網羅的解析を行った。間脳で約22000個のトランスクリプトが同定され、そのうちの約220個の遺伝子が12時間周期の変動をすることが明らかになった。4)明暗条件下で飼育した仔魚で、MelR遺伝子の発現量は明期の開始にピークをもつ日周変動をした。仔魚においても、MelR遺伝子が周期的な発現をすることがわかった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 1件、 査読あり 13件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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