メダカの性は雄決定遺伝子Dmyの存否で決まるが、野生メダカにはXY雌、XX雄が約1%の割合で存在する。本研究ではDmyの始まる性決定機構を解明することを目的に、それら突然変異の原因探求を行った。本研究期間に、1)新潟県白根野生集団中のXY♀は4番染色体上の遺伝子の変異とDmyの変異によりDmyの発現低下がおこり雌になること。2)仙台のXY♀はDmy自身の発現調節領域の変異で発現量が低下し性転換すること、3)平戸のXX♂はDmyの下流で働いている遺伝子GsdfがDmy無しに発現することにより雄になることが判明した。野生メダカ中の変異体の解析は、性決定機構解明に重要な情報を提供することが分かった。
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