研究課題
電子顕微鏡による3次元的な細胞内の膜動態解析に、電子線トモグラフィが有益な手段として使用されている。2次元で離れている構造体でも、3次元観察により、構造体の繋がりなどの情報を正確に把握することができるためである。3次元解析の手段として、一般的に、生物系においては、IMODによる手動方式の海外ソフトが多様されている。しかし、IMODを使用した場合、多くの研究者が直面する問題として、3次元可視化のための作業過程、特にセグメンテーションにおいて、膨大なエネルギーを必要とする。加えて、膜構造の追跡を、人為的に行うため、判断不可能な領域が残される。同時に、基本的に、情報欠落の問題は回避できない。本研究では、連携研究者の開発している、新概念の再構成手法を生物トモグラフィへ適用できるようにすべく、必要となる要素技術の開発、整備し、基盤の創出をすることを主体とした。連続傾斜シリーズ像は、各再構成像間の位置合わせの精度が、分解能に大きく影響することが知られている。この位置合わせ法を新規の考え方で、考案し、その高速化と手法を確立し、2報の論文として報告した。また、その手法の新規性から、特許申請を行った。画像解析法のうち、生物学的に必要となる情報を抽出または削除させるために機械学習(ニューラルネットワーク)を導入した。ソフトの改良と高速化などを整備することにより精度の向上がみられ、比較的単純な生物画像において、画像から自動抽出することが可能となった。生物試料に対するトモフラフィのための、必要な要素技術が着実に整備されている。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
Developmental Cell
巻: 32( 9) ページ: 304-317
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.devcel.2014.12.011
Microscopy.
巻: August 63 (4) ページ: 279-294
doi:10.1093/jmicro/dfu014
Microscopy .
巻: October 63 (5 ページ: 357-369
doi:10.1093/jmicro/dfu021