両生類の消化管では、変態期に甲状腺ホルモンにより幼生型上皮の一部が脱分化して幹細胞となり、成体型上皮を新たに形成する。本研究では、幹細胞への脱分化機構の分子レベルでの解明を目指し、アフリカツメガエル小腸を実験モデルとして用い、甲状腺ホルモン応答遺伝子の発現解析および培養系を用いた機能解析を進めた。その結果、Wnt5a/Ror2シグナル経路が幼生型上皮の脱分化に必須であることが明らかになった。さらに、幼生型上皮内に散在するRor2発現細胞が幹細胞へと脱分化することが示唆されたため、Ror2発現細胞の系譜解析用のトランスジェニックカエルの作製に着手した。
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