現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の計画では、平成25年度において、(計画1)錐体・桿体の紙誌つ組成の違いが視物質のTr活性化に与える影響の評価、(計画2)錐体・桿体いずれかの外節のみに存在するタンパク質の評価、を予定していた。 (計画1)錐体・桿体の外節部細胞膜でのTr活性化の解析については、この解析を行う上で重要な前提となる知見(Tsutsui et al, BGRC, 2013, Koshitani et al, JBC, 2014)を学術誌に発表することができた他、測定のための実験系の構築も進んでいる。しかしながら、現在、結果の再現性が得られておらず、今後、実験条件、実験試料の均一性を得るべく実験法の改良を行い最終的な結果を確定したい。本来、今年度で解析が終わっている予定であったので、やや遅れ気味であるが、十分に次年度中に終了する見込みである。 (計画2)錐体、桿体いずれかの外節にのみ発現しているタンパク質の探索について、昨年の段階で、すでに、錐体・桿体の外節膜特異的に存在するタンパク質に由来すると思われる二次元ゲル電気泳動ゲル上のスポットをそれぞれ10個前後同定していた。そこで、MSを用いてこれらのスポットに含まれるタンパク質の同定をおこなったところ、1例を除いて同定に失敗した。これは、使っている実験動物がコイであり、標準的な実験動物でないことに起因していることが理由であると考えられた。既存のタンパク質配列データベースにはコイのデータが乏しく、このため、MSでの解析結果を十分に評価できなかったものと考えられる。そこで、本年度には、計画の遂行のため、精製した錐体・桿体からmRNAを抽出してそれぞれのライブラリを構築し、次世代シーケンサで解析することにより、既存のデータベースを補完する情報を得た。今後は、目的タンパク質の同定がすみやかに行えるものと考えている。
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