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2014 年度 実績報告書

酵素の局在と機能特化:テトラヒメナ繊毛膜に局在するAK酵素をモデルとして

研究課題

研究課題/領域番号 24570087
研究機関高知大学

研究代表者

鈴木 知彦  高知大学, 自然科学系, 教授 (60145109)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードミリストイル化 / 酵素の局在 / アルギニンキナーゼ / アルギニンリン酸シャトル
研究実績の概要

テトラヒメナ(Tetrarhymena pyriformis)には単量体のAK(AK1)と2ドメイン型のAK(AK2)の両方が存在しており,AK1は主に繊毛に,AK2は細胞質に局在することが分かっている.両者は繊毛内において,「アルギニンリン酸シャトル機構」に深く関わり,繊毛運動のエネルギー供給に深く関与している.また, AK1は,N末端にミリストイル化シグナル配列を持ち,そのN末端ペプチドがN-ミリストイルトランスフェラーゼによって実際にミリストイル化されることから,生体内においても修飾されている可能性が高い.
より直接的にAK1のミリストイル化を証明するために,昆虫細胞由来の無細胞タンパク質合成系(島津製作所)を用いて,ミリストイル化されたAK1を直接合成した.先ず,C末にStrepタグを付加したAK1のcDNA配列を全合成した.次に,そのmRNAを大量に合成し,ミリストイルCoAを含む無細胞系に加えた.この系で合成されたAK1は,付加されたStrepタグを用いて純度よく精製することができた.さらに,SDS電気泳動を行い,合成されたAK1を切り出してMALDI-TOF-MS分析(トリプシン消化産物の質量分析)を外注した.比較のために,Tetrahymena AK1と同様にミリストイル化シグナル配列を持つ2種類のフォスファゲンキナーゼを合成し,併せて質量分析を行った.その結果,後者の2種類については,ミリストイル化されたN末端トリプシンペプチドの質量が0.1 Da以下の誤差で検出された.しかしながら,Tetrahymena AK1については,上記に相当する質量は観測されなかった. Tetrahymena AK1のペプチド質量の回収率が低かったことを考え合わせると,これはターゲットのペプチドがイオン化されなかった可能性を示唆する.今後条件を変えた分析が必要である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Two arginine kinases of Tetrahymena pyriformis: characterization and localization.2014

    • 著者名/発表者名
      Michibata, J., Okazaki, N., Motomura, S., Uda, K., Fujiwara, S. and Suzuki, T.
    • 雑誌名

      Comp. Biochem. Physiol. Part B.

      巻: 171 ページ: 34-41

    • DOI

      doi: 10.1016/j.cbpb.2014.03.008.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Two distinct arginine kinases in Neocaridina denticulate: psychrophilic and mesophilic enzymes.2014

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, T. and Kanou, Y.
    • 雑誌名

      Int. J. Biol. Macromol.

      巻: 67 ページ: 433-438

    • DOI

      doi: 10.1016/j.ijbiomac.2014.04.003.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] オオウミシダのアルギニンキナーゼ.その進化起源,酵素活性及びプレニル化シグナルの発見2014

    • 著者名/発表者名
      丁野可愛,矢野大地,鈴木知彦
    • 学会等名
      日本動物学会第85回大会
    • 発表場所
      仙台(東北大学)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-11
  • [学会発表] ヨツヒメゾウリムシの繊毛運動とアルギニンキナーゼ(AK):アルギニンリン酸シャトル機構の詳細2014

    • 著者名/発表者名
      矢野大地,丁野可愛,鈴木知彦
    • 学会等名
      日本動物学会第85回大会
    • 発表場所
      仙台(東北大学)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-11
  • [学会発表] テトラヒメナの繊毛に局在するアルギニンキナーゼのミリストイル化:「アルギニンリン酸シャトル」の詳細2014

    • 著者名/発表者名
      本村翔,鈴木知彦
    • 学会等名
      日本動物学会第85回大会
    • 発表場所
      仙台(東北大学)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-11

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公開日: 2016-06-01  

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