テトラヒメナには単量体のAK(AK1)と2ドメイン型のAK(AK2)が存在しており,繊毛運動のエネルギー供給に関与している.また, AK1は主に繊毛に,AK2は細胞質や細胞膜に局在する.興味深いことに,AK1はN末端にミリストイル化シグナル配列を持つ.この研究では,ミリストイル化を触媒する酵素(ミリストイルトランスフェラーゼ:NMT)のクローニングと発現, AK1のN末端ペプチドがNMTの基質となることの酵素学的な証明,無細胞タンパク質合成系によるAK1の合成とPMF分析によるN末ミリストイル基の確認を行った.この一連の研究により,ミリストイル基を介したAK1の繊毛膜への局在が明らかとなった.
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