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2012 年度 実施状況報告書

東アジア「温帯域」に分布するアシナガバチ類の起源・分散・種分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24570096
研究種目

基盤研究(C)

研究機関茨城大学

研究代表者

小島 純一  茨城大学, 理学部, 教授 (00192576)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアシナガバチ類 / 分布 / 東アジア温帯域 / 系統仮説 / 種分化
研究概要

アシナガバチ属ならびにホソアシナガバチ属の東アジア「温帯域」に分布する種とその近縁種の系統関係仮説を構築のための解析の基礎となるタクサ×形態形質マトリックスのデータを追加しうる形で、以下の種について作成した。
(1)ホソアシナガバチ属:未記載5種含めて10種。系統関係解析の際の外群として、本属の姉妹群であるチビアシナガバチ属5種。
(2)アシナガバチ属:Gyrostoma亜属から東アジア温帯域に分布する3種を含めて5種;アシナガバチ(Polistes)亜属から東アジア温帯に分布する2種を含めて4種;Polistella亜属から東アジア温帯に分布する7種を含めて17種。加えて、新世界にのみ分布するAphaniropterus亜属から3種ならびに外群としてスズメバチ亜科から3種。
DNAシークエンスデータについては、上記の対象種のほぼ半数について蓄積してきたミトコンドリアDNA上のCOIならびに16S rRNA領域、核DNA上の28S rRNA領域のデータを整理するとともに、台湾高地ならびにベトナム北部における採集調査で得た新鮮なサンプルを用いてアシナガバチ属5種についてCOI領域のシークエンスデータを追加した。また、Aphaniropterus亜属の3種についてはGenBankからのデータ抽出を行った。
ベトナム北部ならびに台湾高地における採集調査、また台湾の台湾林業試験所所蔵の標本調査に基づき、ホソアシナガバチ属については新種記載と巣構造記載を含めた分類学総説、またアシナガバチについてはベトナム北東部に分布する種について新種記載と巣記載も含めた分類学的論文の執筆に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

DNAシークエンスデータの追加に、COI領域のみしか追加できなかった点で当初の計画よりやや遅れがあるが、タクサ×形態形質マトリックスの準備は計画通りに行った。
ベトナム北部ならびに台湾高地における採集調査においては、DNAシークエンス用の新鮮なサンプルを得ることができただけでなく、巣構造データの追加ならびに新種記載も含めた分類学的整理に用いることができる標本を採集した。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、まず平成24年度に作成した系統解析の基礎となるタクソン×形態形質マトリックスを充実させる。具体的には、次の通りである。(1)成虫形態形質については、マトリックスの空欄を埋めるとともに、微細形態を含めて追加すべき形質を明らかにして観察・コーディングを行う。(2)幼虫形態形質については、平成24年度の採集調査で得たサンプルの観察に基づき、マトリックスの空欄を埋めるとともに形質状態の極性の再評価を行う。(3)巣構造形質についても、平成24年度の採集調査で得たサンプルの観察に基づき、マトリックスの空欄を埋める。DNAシークエンスデータは、新たに得たサンプルを順次シークエンスを行い、データマトリックスを充実させる。
系統解析の基礎となるタクソン×形質マトリックスを最終年度(平成26年度)の早い時期に完成させ、形態形質とDNAシークエンスデータに分けて系統関係解析を行い、それぞれのマトリックスに対して得られた分岐図間の整合性を検討する。その上で、全マトリックスを統合して解析を行い、得られた系統仮説に基づいてホソアシナガバチ属、アシナガバチ属それぞれについて東アジア温帯域への分散経路と種分化過程を考察する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に予定していたサンプル整理補助アルバイトを依頼する学生を確保することができずに「次年度に使用する予定の研究費」として約7万円が生じた。当該研究費を平成24年度に整理する予定であった未整理サンプルの整理補助アルバイトの依頼に当て、平成25年度ならびに平成26年度に請求する研究費は当初の計画通り使用する。

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公開日: 2014-07-24  

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