研究課題/領域番号 |
24570108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
秋山 弘之 兵庫県立大学, 付置研究所, 准教授 (70211696)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | コケ植物 / 着生 / 隔離分布 |
研究概要 |
1.野外集団のサンプリング:八丈島ならびに屋久島において,蘚類ウニゴケ科シダレウニゴケSymphyodon perrottettii,ならびに蘚類コモチイトゴケ科オオタマコモチイトゴケ属の2種,オオタマコモチイトゴケClastobryopsis robusta,ナガスジコモチイトゴケClastobryopsis brevinervis,そして蘚類コモチイトゴケ科ヤクシマコモチイトゴケ属ヤクシマコモチイトゴケYakushimabryum longissimumについてサンプリングを行った.八丈島については,国立公園特別保護地区に当たるため,採集許可を得てからサンプリングを行っている.またこれら隔離的に分布する稀少蘚類の他,広域に普通に分布する地上生のものとして,蘚類ハリガネゴケ科カサゴケ属オオカサゴケRhodobryum giganteumならびにカサゴケモドキR. ontariense,カサゴケR. roseumについても主として乾燥標本を材料として解析を開始している. 2.DNAの抽出ならびにPCR:対象となる分類群について最も適切なDNA抽出手段を検討し,CTAB法によって十分な量のDNAが得られることがわかった.解析する配列を検討し,rbcL,rps4,ならびにtrnL-Fを今後の対象とすることを確定することができた.すでにDNA抽出ならびにPCRを終えているサンプルに関しては,次年度予算で精製と配列解析委託を行う予定である. 3.次年度以降サンプリングを行う場所を設定し,情報収集ならびに諸許可の取得等の準備を行った. 4.DNA解析を行うための環境整備(試薬等の購入,調整,保管用薬品庫の購入),データ解析用のパソコンの購入等を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析の材料の入手のための野外調査が,十分に行えなかったことが最も大きな原因である. この遅れについては,この4月以降順調に取り戻しており,2013年度に十分に回復できる見込みである.
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる2013年度は,野外サンプリングならびに解析を重点的に実施する予定である. サンプリングの場所としては,国内(宮崎県南部,高知県石灰岩地帯,神奈川県箱根,埼玉県秩父地域),国外(インドネシアジャワ島)を予定し,現在必要な許可等の申請を行っている. シダレウニゴケについては,今年度内に解析を終えて,結果を論文にまとめる予定にしている.
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次年度の研究費の使用計画 |
主として野外調査旅費,DNA抽出・PCR用消耗品(薬品等),ゲル撮影装置の購入,ならびに配列解析委託に使用する. 野外調査に関しては,上記国内4カ所+3カ所程度(約75万円),ならびに国外1カ所(約20万円)の旅費として使用を予定. DNA解析については,実験に用いる試薬等の消耗品(約20万円)ならびに備品としてゲル照明・撮影装置の購入(約30万円),PCR産物の精製と配列解読の委託(約30万円)に使用する予定である. また,成果発表のための投稿料・学会発表に関わる費用として,15万円程度を見込んでいる.
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