研究課題
実験室のある建物が3月に移転をしたため6月まで実験をほとんどできなかった。また20年以上使用してきた質量分析機を廃棄したので、生産開発科学研究所の共同研究者が所有するLC-MSを使用することになった。分離・分析条件を検討するため何度か京都へ行き分析に立ち会った。紅色植物門は、最近の系統分類ではイデユコゴメ亜門と紅藻亜門に分けられ、紅藻亜門はさらにチノリモ綱、オオイシソウ綱、ベニミドロ綱、ロデラ藻綱、ウシケノリ綱、真正紅藻綱の6綱に分けられている。単細胞性のイデユコゴメ綱、チノリモ綱、ベニミドロ綱、ロデラ藻綱はβ-カロテンとゼアキサンチンのみを、オオイシソウ綱はこれらに加えてアンテラキサンチンをもっていた。一方、多細胞性のウシケノリ綱、真正紅藻綱は主成分のルテインに加えてα-カロテンとβ-カロテンとゼアキサンチンをもっていた。ただし、真正紅藻綱のサンゴモ目とオゴノリ目の一部の種はルテイン類をもたずにアンテラキサンチンをもっていた。単細胞性の4綱ではリコペンがリコペン-β-シクラーゼによりβ-カロテンに、次いでβ-ヒドロキシラーゼによりゼアキサンチンに変化し、オオイシソウ綱ではさらにゼアキサンチン・エポキシダーゼによりアンテラキサンチンに変化すると考えられる。一方、多細胞性の2綱では上記に加えてさらに存在するリコペン-ε-シクラーゼとε-ヒドロキシラーゼによりルテインができると考えられる。系統分類と生合成酵素・経路について検討をした。これらの結果をまとめた原稿がほぼ完成し近々投稿予定である。ユーグレナ、三次共生の渦鞭毛藻、シアノバクテリアなどのカロテノイド分析を共同研究で進めており、学会において発表をした。
http://photosyn.jp/pwiki/index.php?FrontPageWeb 版光合成事典(日本光合成学会編集)カロテノイド関連の編集(71項目執筆、全約2500項目)
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