南西諸島に同所的あるいは異所的に分布するシジュウカラ、ヤマガラという近縁の2鳥種を用いて、さえずりの似た近縁種によるさえずりと種認知メカニズムの進化を研究した。さえずりを分析したところ、いずれの種でも地理的変異(方言)が見られた。特にシジュウカラではヤマガラによる形質置換が見られた。すなわち、ヤマガラと同所的に分布するシジュウカラはヤマガラとは異なる周波数が低いさえずりを用いていた。 また音声再生実験から、他方の種と共存する場合は、異種や同種他所のさえずりを同種のものとは認知しないことがわかった。さえずりの似た種の存在はさえずり方とともに種認知の厳密さにも影響を与えていた。
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