研究課題
本研究では固体NMR分光法を用いて、光受容膜蛋白質の構造解析と機能発現メカニズムを明らかにすることが目的であり、最終年度である26年度は以下のような成果が得られた。1. バクテリオロドプシンのY185F変異体のNMR測定および解析をさらに進めた。これまではレチナールの15位と20位の13C標識体を使用していたが、新たに14位の13C標識レチナールを用い、Y185Fの光中間体の構造解析を行った。その結果、マイナス40度の測定でN中間体およびO中間体が観測され、さらに基底状態の13cis型に由来する別の光中間体を観測することに成功した。2. Salinibacter ruber由来のセンサリーロドプシンIについて、In-situ光照射固体NMRを用いたMおよびP中間体の捕捉に成功した研究成果がAngew. Chem. Int. Ed.に掲載され、また、世界の分光情報を取り扱うspectroscopyNOW.comにおいてJournal Highlightとして取り上げられた。さらに、第53回 NMR討論会における発表で研究協力者が優秀ポスター賞を受賞するなど高い評価が得られた。3.In-situマイクロ波照射NMRという新しい測定方法を開発し、マイクロ波加熱による液晶分子のユニークな挙動を観測した。その成果はPCCPとJ. Magn. Reson.に発表することができた。
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