我々がこれまでに開発したIn-situ光照射-固体NMRシステムを改良し、複数の波長の光を容易に切り替えることができる工夫を施した。これを用いて、レチナール光異性化反応を制御し、Salinibacter ruber由来のセンサリーロドプシンIの正および負の走光性を司るM中間体とP中間体の観測に成功した。センサリーロドプシンIに特有の光中間体であるP中間体は基底状態が光励起され、その光反応の途中に存在するM中間体が紫外光を吸収することによって、2光子反応的に生成すると考えられていたが、我々のNMRのデータから基底状態に青色光を当てるとP中間体が直接産生するユニークな結果が得られた。
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