研究課題/領域番号 |
24570137
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
井原 義人 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70263241)
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研究分担者 |
井内 陽子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20316087)
池崎 みどり 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40549747)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 糖タンパク質 / マンノース / TGF-β / トロンボスポンジン |
研究実績の概要 |
(1)研究の目的:本研究は、C-Man化ペプチドによるトランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)誘導性細胞増殖に対する抑制作用の知見をもとに、C-Man化ペプチドあるいはTSRドメインのTGF-βシグナルに対する新たな制御機構の解明を目指した。 (2)研究実施内容:本年は、動物個体レベルでのC-Man化TSRペプチドによるTGF-βシグナルの抑制制御について、マウス肺線維症モデルを用いた研究を行った。C57BL/6J雄マウス(9週齢)に、0.075Uのブレオマイシンを気管内投与した。投与3日後に3群に分け、WSPWあるいはC-Man-WSPWペプチド(10 μmol/50 μL)、もしくは溶媒(0.4% ジメチルスルホキシド(DMSO)/生理食塩水 50 μL)を再度気管内投与した。その後、ブレオマイシン投与から2週間の時点でマウスを頸椎脱臼により屠殺、肺サンプルの採取を行った。得られたサンプルを用いて、TGF-βシグナルに関連する分子の発現やリン酸化レベルについて生化学的解析を行った。 (3)研究結果:常法に従い、ブレオマイシンによるマウス肺線維症モデルを作製した。ペプチド投与後の肺サンプルについて、抗リン酸化Smad3、抗Snail、Collagen I、Fibronectinなどのイムノブロット解析を行ったが、C-Man-WSPWとコントロールのWSPWペプチドの間で、有意な差異は認められなかった。ただし、本実験におけるサンプル収集時点で、予想されたブレオマイシンによる肺組織の傷害が認められなかったことから、実験手技の問題が示唆された。一連の研究により、C-Man化ペプチドによるTGF-β誘導性細胞増殖に対する抑制機構を線維芽細胞のレベルで明らかにしたが、今後は動物個体レベルでのTGF-βシグナル制御について、さらに詳細な検証が必要と考えられた。
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