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2013 年度 実施状況報告書

転写因子SATB1に対する複合標的核酸創薬基盤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24570144
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

山崎 和彦  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (00358243)

キーワード転写因子 / 核酸創薬 / がん / タンパク質核酸相互作用
研究概要

本研究は、転写因子SATB1のタンパク質結合ドメインや複数のDNAドメインを対象とし、これに結合して機能阻害を行う核酸分子の取得を行うことを目的としている。本年度は、初年度に予定通りに進まなかったin vitro selectionによる結合核酸選別について、その対策のための実験を進めた。その過程で、結合が強化された核酸分子種を創出し、さらに、タンパク質・核酸複合体立体構造解析を進めて認識機構に関する情報を得ることを行った。先ず、in vitro selectionについては、塩濃度など諸条件だけでなく、初期ライブラリーに対するチオリン酸基などの修飾を施すことを試みた。既存の結合配列について、表面プラズモン共鳴法を用いて解析した結果、生理的条件に近い塩濃度下において、チオリン酸化修飾を施した核酸が非修飾のものよりも強い結合を示すことが判った。この時、結晶構造解析において、タンパク質のアミノ酸残基が接触するリン酸基のみを修飾し、今後想定される細胞毒性の軽減を目論んだ。また、初期ライブラリーのデザインに資するため、計算科学的手法により、ホメオドメインやCUTr1ドメイン-ホメオドメイン融合体と核酸の複合体構造モデルを構築した。また、これまで配列特異性が低いと考えられたホメオドメインにおいて、特異的認識に主導的役割を果たすAsn残基に変異を導入し、これが結合に寄与しないことを等温滴定熱量計により確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

in vitro selection実験を確実に進めるため、文献や特許等の情報収集や基礎データの取得を中心に行った。その結果、修飾導入の有効性の確認や配列特異性の低いDNA結合ドメインの核酸結合様式の解析などの結果が得られたため、次年度での開発実験が効率的に進展することが期待出来る。

今後の研究の推進方策

チオ化修飾による結合強化の傾向が確認されたため、それを前提とした初期ライブラリー再構築を行う。また、RNAや相補的でないDNAを用いることにより、2重鎖DNAに対して配列非特異的な結合を示すホメオドメインやタンパク質結合ドメインに対しても、in vitro selection実験を進める。それに基づき、複合体結晶解析や培養細胞を用いた実験を進める。

次年度の研究費の使用計画

本年度は、情報収集とともに基礎的な対策実験を中心に行ったが、合成DNA試薬以外は別予算で購入したものを用いた他、補助員の使用も最小化したため、予算の消化が進まなかった。
最終年度として、研究を確実に進めるため、補助員を雇用して実験に従事させるとともに、修飾核酸など試薬の購入に用いる。

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公開日: 2015-05-28  

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