筋小胞体カルシウムポンプの機能発現における静電的相互作用の役割と、それに対する脂質を中心とする環境要因の影響について、ナノディスクに組み込んだカルシウムポンプ標品を用いて検討した。その結果、脂質頭部の電荷とカルシウムポンプ本体との静電的相互作用、及び脂質とポンプ本体との直接的相互作用がともにポンプの活性に重要な影響を及ぼし、ポンプの機能発現における脂質環境の重要性を明らかにすることが出来た。本研究はカルシウムポンプの機能に及ぼす脂質の影響を、静電的相互作用によるものとそれ以外とに明確に分けることに成功した初めてのものである。
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