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2014 年度 実績報告書

腸管における架橋酵素を介したシグナル伝達制御と腸内細菌との共生成立の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 24570164
研究機関九州大学

研究代表者

川畑 俊一郎  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90183037)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードトランスグルタミナーゼ / 腸内細菌叢 / 囲食膜 / キチン結合タンパク質 / タンパク質架橋反応
研究実績の概要

次世代シーケンサーによる腸内細菌叢解析を行ったところ、TG-RNAiにより、腸内細菌叢が変化することが判明した。TG-RNAi系統が短命である原因を詳しく調べるために、腸管より細菌を単離した。その結果、A属2種とL属1種の腸内細菌の単離に成功した。単離したA属2種はいずれも16S-rDNA 配列が完全に一致する種がデータベース上になく、新種と考えられた。次世代シーケンサーによる解析で、主要な腸内細菌として検出されたP属については、今回はハエ腸管から単離出来なかった。これまで大型昆虫から囲食膜の構成タンパク質がいくつか明らかにされており、R&Rモチーフを含有するキチン結合性タンパク質であった。データベースで相同遺伝子を調べたところ、ハエゲノム上には、3種の遺伝子(ここでは遺伝子A、B、Cとする)が存在した。ハエの各組織における遺伝子CのmRNA量を定量PCRにより解析した結果、中腸における発現量が一番高いことが判明した。次に、タンパク質Cが囲食膜を構成するタンパク質であるかを確かめるため、囲食膜透過性評価の実験を行った。遺伝子CをRNAiしたハエにおいて、コントロールと比較すると、蛍光ラベルしたデキストラン粒子が腸管上皮まで広がっている様子が確認され、タンパク質Cが囲食膜形成に寄与していることが示唆された。組換え体のタンパク質Cを調製し、TGの合成基質であるダンシルカダベリンをTG存在下で作用させたところ、TG依存的にダンシルカダベリンがタンパク質Cに取り込まれることが分かった。タンパク質Cの抗体を用いて、ハエ成虫全身のタンパク質をウェスタンブロットにより解析したところ、単量体の分子量ではなく、ゲルトップに高分子のバンドとして検出された。また、腸管から抽出した腸管タンパク質を用いてウェスタンブロットしたところ、ゲルトップに高分子のタンパク質Cに対する抗原バンドが確認された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (10件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ショウジョウバエの腸内常在細菌に対する免疫応答と制御の分子機構.2014

    • 著者名/発表者名
      川畑俊一郎
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会 シンポジウム
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
    • 招待講演
  • [学会発表] 腸内細菌に対する免疫寛容による腸管恒常性維持.2014

    • 著者名/発表者名
      柴田俊生、関原早苗、槇光輝、藤川匠、宮地隆太、石原健、小柴琢己、川畑俊一郎
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [学会発表] ショウジョウバエ腸内細菌叢の維持に関わる共生細菌分泌物質の探索.2014

    • 著者名/発表者名
      関原 早苗、百間谷 茉依、柴田 俊生、川畑 俊一郎
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [学会発表] ショウジョウバエの腸内細菌に対する免疫応答と寛容の分子機構.2014

    • 著者名/発表者名
      川畑俊一郎
    • 学会等名
      阿蘇シンポジウム
    • 発表場所
      阿蘇リゾートグランヴィリオホテル
    • 年月日
      2014-07-15 – 2014-07-16
    • 招待講演
  • [学会発表] ハエ腸管の移植膜タンパク質の架橋形成による感染防御の分子機構.2014

    • 著者名/発表者名
      槇 光輝、柴田俊生、川畑俊一郎
    • 学会等名
      日本比較免疫学会第26回学術集会
    • 発表場所
      東北大学キャンパス
    • 年月日
      2014-07-09 – 2014-07-11
  • [学会発表] Transglutaminase-catalyzed relish crosslinking suppresses innate immune signaling in the Drosophila.2014

    • 著者名/発表者名
      Kawabata, S.
    • 学会等名
      Gordon Research Conference on Transglutaminase in Human Disease Processes.
    • 発表場所
      Lucca, Italy
    • 年月日
      2014-06-29 – 2014-07-04
    • 招待講演
  • [学会発表] Transglutaminase-catalyzed protein-protein crosslinking maintains the gut epithelial immunity.2014

    • 著者名/発表者名
      Shibata, T., Sekihara, S., Fujikawa, T., Miyaji, R., Maki, K., Ishihara, T., Koshiba, T., Kawabata, S.
    • 学会等名
      Gordon Research Conference on Transglutaminase in Human Disease Processes.
    • 発表場所
      Lucca, Italy
    • 年月日
      2014-06-29 – 2014-07-04
  • [学会発表] トランスグルタミナーゼによる囲食膜タンパク質の架橋体形成がもたらす感染抵抗性の増強.2014

    • 著者名/発表者名
      柴田俊生、藤川匠、*槇光輝、北崎一樹、小柴琢己、川畑俊一郎
    • 学会等名
      日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      九州大学 コラボステーション
    • 年月日
      2014-05-17 – 2014-05-18
  • [学会発表] ショウジョウバエ腸内細菌分泌物質による緑膿菌の殺菌効果.2014

    • 著者名/発表者名
      関原早苗、百間谷茉依、柴田俊生、川畑俊一郎
    • 学会等名
      日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      九州大学 コラボステーション
    • 年月日
      2014-05-17 – 2014-05-18
  • [学会発表] ョウジョウバエ自然免疫の応答制御と腸内細菌の共生成立の分子機構.2014

    • 著者名/発表者名
      柴田俊生、関原早苗、藤川匠、宮地隆太、石原 健、小柴琢己、川畑俊一郎
    • 学会等名
      日本生化学会九州支部例会 シンポジウム
    • 発表場所
      九州大学 コラボステーション
    • 年月日
      2014-05-17 – 2014-05-18
    • 招待講演
  • [備考] 生体高分子学研究室

    • URL

      http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~biopoly/

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公開日: 2016-06-01  

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