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2014 年度 実績報告書

ジアシルグリセロールキナーゼγを介するがん抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24570166
研究機関札幌医科大学

研究代表者

甲斐 正広  札幌医科大学, 医学部, 講師 (80260777)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードジアシルグリセロールキナーゼ / エピジェネティクス / 大腸がん
研究実績の概要

我々は前年度までの研究において、大腸がんにおいて脂質代謝酵素DGKGの発現が有意に抑制されていること、そしてこの抑制がDGKG遺伝子のDNAメチル化によるものであることを明らかにした。DGKGの発現抑制と大腸がん細胞のフェノタイプに関連があるかどうかを調べるために、DGKG発現が抑制されている大腸がん由来細胞株HCT116およびDLD1細胞にDGKGを過剰発現させて、細胞のフェノタイプが変化するかどうかを調べた。遺伝子導入はアデノウイルスを利用し、細胞増殖(MTT法)、細胞遊走(Boyden Chamber法)、細胞浸潤(マトリゲルBoyden Chamber法)について検討した。野生型DGKGの過剰発現では大きな変化は見られなかったが、酵素活性欠失ミュータント(DGKG-KD)の過剰発現により増殖・遊走・浸潤がやや抑制された。さらに常時活性化型ミュータント(DGKG-CA)の過剰発現によっても増殖・遊走・浸潤が抑制された。特に遊走・浸潤の抑制はかなり強く現れていた。DGKGはアクチン再構成系のシグナリング経路に関与する可能性が示唆されているので、我々は次にDGKGを過剰発現したDLD1細胞を用いてRacプルダウンアッセイを行い、Racの活性化状態を検討した。定常状態の細胞ではDGKGの発現による活性化Rac量に違いは見られなかったが、飢餓状態細胞へのEGF刺激(5分後)を与えた状態で観察したところ、DGKG-CAミュータントで活性化Rac量が減少していた。異常の結果より、DGKGの発現が抑制された大腸がん細胞では、高レベルのRac活性化に伴う細胞の遊走能・浸潤能増大が起きている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Epigenetic silencing of DGKG and the resulting phenotype in colorectal cancer cells2014

    • 著者名/発表者名
      甲斐正広、山本英一郎、丸山玲緒、佐藤亜紀子、新沼猛、津矢田明泰、鈴木拓
    • 学会等名
      第73回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-27

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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