多能性幹細胞研究において汎用されている抗体はヒトiPS/ES細胞ばかりでなく、EC細胞(胎児性がん細胞)をも認識する欠点を持つ。私たちは、本研究によりヒトEC細胞を認識しないヒトiPS/ES細胞マーカー抗体2種の作成に成功した。R-10Gは抗TRA-1-60抗体と同様にケラタン硫酸を認識する抗体であり、これらの糖鎖はムチン様膜糖タンパク質であるポドカリキシン分子上に発現することを明らかにした。R-17Fは、抗SSEA-3抗体と同様に膜脂質を認識する抗体であるが、ヒトiPS/ES細胞特異的な細胞障害活性をもつことを明らかにした。
|