本研究の目標は、蛋白質のフォールディングエネルギー地形を、実験の立場から定量的に記述し、蛋白質が天然状態へたどり着く機構を理解することである。スタフィロコッカル・ヌクレアーゼについて、蛍光共鳴エネルギー移動と超高速混合法とを組み合わせ、反応初期に非一様な構造形成が起こることを見いだした。これは初期中間体形成が特異的な相互作用に起因することを示唆する。アポミオグロビンについて、フォールディング反応初期に蓄積する中間体が平衡条件下において蓄積する中間体と同じ速度過程で形成することを見いだした。この結果は、これらの中間体が同一の分子種であることを示唆する。
|