平成26年度は、ヒトDNA修復タンパク質の定量的な蛍光標識、非損傷あるいは損傷λファージDNA上でのDNA修復タンパク質1分子の結合・解離・1次元拡散運動ダイナミクスの長時間イメージング、数10bpの長さの非損傷あるいは損傷DNA上でのDNA修復タンパク質1分子の結合・解離の長時間イメージングを行った。結果を以下に示す。 ヒトDNA修復タンパク質の定量的な蛍光標識:蛍光性ビオチンによるQdotストレプトアビジンのビオチン結合サイト数の定量を行える系を立ち上げた。そして、そのビオチン結合サイト数がわかった状態で、ビオチン化したヒトDNA修復タンパク質のQdot標識を定量的に行った。 非損傷λファージDNA上でのイメージング:非損傷λファージDNA上での1次元拡散運動を解析したところ、その拡散係数が広く分布していることを見いだした。このことはDNA修復タンパク質が必ずしもDNAのらせんに忠実に沿って動かず、DNA上をより速く移動できることを示唆している。 損傷λファージDNA上でのイメージング:損傷λファージDNAに安定して結合するDNA修復タンパク質をイメージングした。これらの結合の多くは、少なくとも数時間は持続しており、XPC複合体の損傷DNAへのアフィニティの高さを示していると考えている。 数10bpの長さの非損傷あるいは損傷DNA上でのイメージング:λファージDNAと同様に、非損傷DNAに比べて、損傷DNAにより多く、またより長時間結合しているDNA修復タンパク質をイメージングした。
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