研究課題/領域番号 |
24570201
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
吉田 健一 明治大学, 農学部, 准教授 (20345036)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | マイクロRNA / エピジェネティクス |
研究概要 |
本研究の目的は、申請者が見出した細胞周期関連マイクロRNAの候補について、エピジェネティクスを中心とした発現制御機構の解明である。加えて、マイクロRNAが標的とする新奇遺伝子の同定などを通して、エピ・マイクロRNAおよびオンコ・マイクロRNAであるか否か機能解析するこを目的とする。具体的には、マイクロRNA群の発現制御機構の理解に基づき、マイクロRNAを過剰発現させる、あるいは発現抑制する結果、正常細胞やがん細胞株の増殖能などがいかに変化するのか解析する。これら諸課題の解決を通して、マイクロRNAによる細胞機能制御の解明に貢献する。 エピジェネティクスがマイクロRNAの発現制御にいかに関与しているか解明する目的で、5-aza-2’-deoxycytidineおよびトリコスタチンAを種々のがん細胞株(A549、HeLa、U2OS)ならびに正常細胞株(TIG1)に処理後、5種類のマイクロRNAの発現レベルを定量的リアルタイム逆転写PCR法で解析した。結果、miR-139-3pの発現は、5-aza-2’-deoxycytidine処理したHeLa細胞でのみ顕著に増強した。miR-139-3pの発現レベルは、5-aza-2’-deoxycytidineおよびトリコスタチンAの共添加でさらに増強した。miR-139-3pを含むPDE2A遺伝子の発現レベルも、同様の処理で増強した。現在、カリフォルニア大学(UCSC)のゲノム解析データベースを用い、PDE2A遺伝子内のCpGアイランドを特定し、バイサルファイトシークエンシング法によりメチル化部位を特定すべく解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特定の細胞株でエピジェネティカルな制御を受け得るマイクロRNAを同定した。さらに、miR-139-3pについては、このマイクロRNA含むPDE2A遺伝子のプロモーター領域近傍のDNA配列を特定し、バイサルファイトシークエンシング法によりメチル化部位を特定すべく解析中である。 加えて、miR-483-5pが標的とし得る新奇候補遺伝子として、MAPキナーゼ経路に位置する遺伝子を同定した。
|
今後の研究の推進方策 |
miR-139-3pを含むPDE2A遺伝子内に同定したCpGアイランドについて、バイサルファイトシークエンシング法によりメチル化部位を詳細に特定する。加えて、miR-483-5pが標的とし得る新奇候補遺伝子について、特に細胞増殖制御機構に注目して解析を進める。 細胞周期を制御する転写因子E2Fファミリー、JUNおよびRASとマイクロRNA群との関係性について、特にフィードバック・ループの有無を解析する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
実験に必要な消耗品の購入費、成果発表のための旅費などに使用する予定である。
|