真核細胞のM期染色体構築に中心的役割を果たすコンデンシンは五つのサブユニットからなる分子複合体である。組換えサブユニットを用いてコンデンシンI複合体を再構成しその分子機能の解析をおこなった。その結果、SMCサブユニットのATP加水分解のサイクルがコンデンシンIの作用に異なる貢献をしていること、またSMC ATPaseによる継続的な加水分解が染色体構造の形成・維持に必要であることを見出した。さらにコンデンシンI特有のHEATリピートを持つ二つのサブユニットがダイナミックな染色体の軸構造の形成に必須であり、お互いに拮抗的に作用しながら機能することを明らかにした。
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