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2014 年度 実施状況報告書

ADAM17によるHB-EGFのエクトドメイン・シェディングに関与する制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 24570212
研究機関大阪大学

研究代表者

岩本 亮  大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (10213323)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード細胞増殖因子 / エクトドメイン・シェディング / 切断酵素 / 細胞・組織 / シグナル伝達
研究実績の概要

HB-EGFはEGFファミリーに属する増殖因子で膜結合型蛋白として合成され、細胞表面において種々の刺激によって酵素的切断(エクトドメイン・シェディング)を受け、その細胞外領域が分泌される。HB-EGFのシェディングを担う主たる酵素としてADAM17が知られている。しかしADAM17によるHB-EGF切断の制御機構は未だ不明である。そこで本研究ではこの制御の分子機構を明らかにすることを目的とする。
計画当初、用いる細胞系として一般的な種々の株化細胞を予定していたが、生体内においてADAM17やHB-EGFが実際に機能していることがわかっている細胞系を用いる方が本当の制御機構にアプローチできると考え、研究初年度(24年度)に、用いる細胞系をマウス胎仔心臓弁初代培養細胞に変更した。これはマウス心臓弁の発生過程においてADAM17による切断がHB-EGFの生理機能発揮にとって必須であることが各種ノックアウトマウスの解析からわかっているからである。そして翌25年度には、前年度に確立したこの培養系でのレンチウイルスベクター系遺伝子導入法を用いて、HB-EGFによる細胞増殖抑制には受容体としてErbB4が機能している事、さらにErbB4のADAM17による切断とそれに伴うErbB4細胞質領域による核移行の重要性も強く示唆され、これらのことを生体レベルでも検証する必要が生じた。そこで26年度は主にErbB4 KOマウスの情報収集や凍結胚の輸入手続き、そしてその後の凍結胚からの個体作製と繁殖を行った。今後は、得られたErbB4 KOマウスの心臓弁発生過程に関する表現型解析と培養系の実験から、特に細胞増殖抑制においてHB-EGFの切断とErbB4の切断の両方に関与するADAM17の制御機構を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

26年度に、ADAM17によるHB-EGFの切断制御機構について心臓弁間質細胞の初代培養系での解析を予定していたが、この系での予備的実験の結果から、HB-EGFの受容体としてErbB4が機能している事が新たに示唆され、これを生体レベルでも検証する必要が生じ、ErbB4 KOマウスを海外より入手・解析することとなった。そしてそのための情報収集や実際の輸入手続き、その後のマウス繁殖などに相当の時間を要し、予定していた培養系での解析が遅延した。

今後の研究の推進方策

前年度においては、HB-EGFによる間質細胞の細胞増殖抑制においてHB-EGFの受容体としてErbB4の関与が強く示唆されたが、このことは本研究の主題であるADAM17が、HB-EGFの切断のみならず、その受容体のErbB4のシグナル伝達様式としての細胞内領域切断にも関与している事を強く示唆しており、本事象におけるADAM17の重要性をさらに支持するものである。今後はErbB4 KOマウスの心臓弁発生過程に関する表現型解析と培養系実験からも、この系におけるADAM17制御の分子機構解析によって研究目的を完遂させる。

次年度使用額が生じた理由

26年度に、ADAM17によるHB-EGFの切断制御機構について培養系での解析を予定していたが、この系でのHB-EGFの受容体としてErbB4が機能することが新たに示唆され、これを生体レベルでも検証する必要が生じ、ErbB4 KOマウスを海外より入手・解析することとなり、そのための情報収集や実際の輸入手続き、その後のマウス繁殖などに相当の時間を要し、培養系での解析が遅延したため、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

このため、ErbB4 KOマウスの心臓弁形成過程に関する表現型解析と、培養系でのADAM17によるHB-EGF及びErbB4の切断制御の分子機構の解析を、共に次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 心臓弁形成におけるHB-EGF-ErbBシグナルによる細胞増殖制御2014

    • 著者名/発表者名
      岩本亮、目加田英輔
    • 学会等名
      第66回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      2014-06-11 – 2014-06-13
  • [備考] IWAMOTO'S PAGE

    • URL

      http://cell-biology.biken.osaka-u.ac.jp/MekadaLabHP/Iwamoto/Iwamoto.html

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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