HB-EGFと、その受容体の1つErbB4はいずれもADAM17によって切断を受ける。本研究では、HB-EGFの切断分泌とこれによる細胞増殖の抑制が必須であるマウス心臓弁形成過程に焦点を当てその制御機構の解析を行った。その結果HB-EGFによる増殖抑制にはErbB1/ErbB4ヘテロ二量体が機能し、さらにこの時ErbB4の切断とそれに伴う細胞内領域遊離が増殖抑制に重要であることが示唆された。またこの抑制過程ではp38MAPK及びJNKシグナルが必須であることも解った。これらの結果は、この過程でADAM17が増殖因子側だけでなく受容体側の制御にも同時に重要な機能を果たしていることを示唆する。
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