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2013 年度 実施状況報告書

新規膜変形ドメインによるエンドサイトーシスの分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 24570216
研究機関神戸大学

研究代表者

伊藤 俊樹  神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30313092)

キーワードエンドサイトーシス
研究概要

エンドサイトーシスは細胞膜受容体、チャネル、トランスポーターなどの膜貫通型蛋白質の機能制御と品質管理、細胞外環境からの栄養物質の取り込み、神経伝達物質やホルモンの分泌に伴う細胞内膜小胞の補充など、多彩な生理現象に関与する。また、ウイルスやバクテリアなどの感染現象は、これらの病原体が宿主細胞に備わるエンドサイトーシス機構を巧妙にハイジャックする過程に他ならない。本研究の目的は、細胞増殖、免疫機構、細胞極性の形成など多様な生命現象において重要な役割を担うエンドサイトーシスの制御機構を分子レベルで明らかにすることである。この過程において最も重要かつ未解明の課題は、細胞膜を細胞質側に引き込み、湾曲させ、引き伸ばし、縊り取る、という非常にダイナミックな生体膜の変形機構の実体である。近年、このミッシングリンクを結ぶ因子として「生体膜の変形活性」を有する蛋白質群が見出され、エンドサイトーシスにおける重要性が多くの注目を集めている。本研究では、我々が近年見出した新規生体膜結合モジュール「SYLFドメイン」を有するタンパク質SH3YL1に着目して、エンドサイトーシスにおける細胞膜の形態変化を誘導するメカニズムを明らかにする。今年度は、SH3YL1の内在性タンパク質の生理的機能を明らかにするため、特異的抗体を用いた各種培養細胞株およびマウス臓器に対するウェスタンブロッティングを行った。その結果、いくつかの高発現細胞株を見出すことに成功した。これらの細胞株は特徴的なエンドサイトーシス経路を有することが考えられたため、機能的に関連する因子を同定することとした。タンデムアフィニティータグを持つ発現ベクターを用いた共沈アッセイ系を確立し、現在SH3YL1に対する相互作用因子を探索している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の研究計画は概ね順調に進行することが出来た。SH3YL1の組織分布における新たな知見が得られたことから、本タンパク質の生理的機能に迫る足がかりが得られたと考えている。

今後の研究の推進方策

前年度の成果をもとに一層の推進を予定している。新規相互作用因子の探索と同定に注力するための試薬類およびプロテオーム解析に研究費を有効に活用する予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Functional link between Rab GTPase-mediated membrane trafficking and PI4,5P2 signaling.2014

    • 著者名/発表者名
      Li, C., Kita, A., Hashimoto, Y., Ihara, M., Kato, A., Ogura, N., Doi, A., Oku, M., Itoh, T., Sakai, Y., Sugiura, R.
    • 雑誌名

      Genes Cells.

      巻: 19 ページ: 177-197

    • DOI

      10.1111/gtc.12123.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 脂質二重層の曲率を認識する分子機構2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤俊樹
    • 雑誌名

      医学のあゆみ・生命を支える脂質~最新の研究と臨床~

      巻: 248 ページ: 1069-1074

  • [雑誌論文] Antagonistic regulation of F-BAR protein assemblies controls actin polymerization during podosome formation.2013

    • 著者名/発表者名
      Tsujita, K., Kondo, A., Kurisu, S., Hasegawa, J., Itoh, T.*, Takenawa, T.*
    • 雑誌名

      J. Cell Sci.

      巻: 126 ページ: 2267-2278

    • DOI

      10.1242/jcs.122515.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] srGAP1 regulates lamellipodial dynamics and cell migratory behavior by modulating Rac1 activity.2013

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki, D., Itoh, T., Miki, H., Takenawa, T.
    • 雑誌名

      Mol. Biol. Cell

      巻: 24 ページ: 3393-3405

    • DOI

      10.1091/mbc.E13-04-0178.

    • 査読あり
  • [学会発表] 低分子量Gタンパク質Rab GTPaseよるイノシトールリン脂質シグナル伝達経路の空間的制御機構2013

    • 著者名/発表者名
      李 翠芳、橋本 佑香、井原 美沙子、加藤 彩香、小倉 尚也、奥 公秀、伊藤 俊樹、阪井 康能、杉浦 麗子
    • 学会等名
      第36回 日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20131204-20131204
  • [学会発表] PHドメインタンパク質Sio1とイノシトールリン脂質シグナルの関わり2013

    • 著者名/発表者名
      小倉 尚也、李 翠芳、喜多 綾子、橋本 佑香、井原 美沙子、加藤 彩香、奥 公秀、伊藤 俊樹、阪井 康能、杉浦 麗子
    • 学会等名
      第36回 日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20131204-20131204
  • [学会発表] 脂質結合モジュールによる生体膜の形状制御2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤 俊樹
    • 学会等名
      第86回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130911-20130911
  • [学会発表] Self-organization of FBP17 responds to membrane tension required for polarized actin polymerization2013

    • 著者名/発表者名
      辻田和也、伊藤俊樹
    • 学会等名
      第86回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130911-20130911
  • [学会発表] 乳がん細胞株においてゴルジ体のイノシトールリン脂質が細胞間接着と細胞運動・浸潤能を制御する2013

    • 著者名/発表者名
      徳田 恵美、伊藤 俊樹、竹縄 忠臣
    • 学会等名
      第65回 日本細胞生物学会
    • 発表場所
      ウインクあいち(名古屋市)
    • 年月日
      20130619-20130621
  • [学会発表] F-BAR蛋白質による膜突起形成反応のリアルタイムイメージング解析2013

    • 著者名/発表者名
      滝口 陽子、伊藤 俊樹、辻田 和也、柳澤 美穂、藤原 慶、山本 暁久、市川 正敏、山田 駿介、滝口 金吾
    • 学会等名
      第65回 日本細胞生物学会
    • 発表場所
      ウインクあいち(名古屋市)
    • 年月日
      20130619-20130621

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公開日: 2015-05-28  

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