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2014 年度 実績報告書

新規膜変形ドメインによるエンドサイトーシスの分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 24570216
研究機関神戸大学

研究代表者

伊藤 俊樹  神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30313092)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードイノシトールリン脂質
研究実績の概要

エンドサイトーシスは細胞膜受容体、チャネル、トランスポーターなどの膜貫通型蛋白質の機能制御と品質管理、細胞外環境からの栄養物質の取り込み、神経伝達物質やホルモンの分泌に伴う細胞内膜小胞の補充など、多彩な生理現象に関与する。また、ウイルスやバクテリアなどの感染現象は、これらの病原体が宿主細胞に備わるエンドサイトーシス機構を巧妙にハイジャックする過程に他ならない。本研究の目的は、細胞増殖、免疫機構、細胞極性の形成など多様な生命現象において重要な役割を担うエンドサイトーシスの制御機構を分子レベルで明らかにすることである。この過程において最も重要かつ未解明の課題は、細胞膜を細胞質側に引き込み、湾曲させ、引き伸ばし、縊り取る、という非常にダイナミックな生体膜の変形機構の実体である。近年、このミッシングリンクを結ぶ因子として「生体膜の変形活性」を有する蛋白質群が見出され、エンドサイトーシスにおける重要性が多くの注目を集めている。本研究では、我々が近年見出した新規生体膜結合モジュール「SYLFドメイン」を有するタンパク質SH3YL1に着目して、エンドサイトーシスにおける細胞膜の形態変化を誘導するメカニズムを明らかにする。今年度は、SH3YL1とイノシトールリン脂質との結合に関与するSYLFドメインの構造機能相関に関する新たなデータを取得することが出来た。すなわち、SYLFドメイン内に保存された正電荷アミノ酸をアラニン残基に置換すると、人工膜リポソームへの結合が著しく減弱することが観察された。また、in vitroアッセイ系によるリポソーム動態観察法により、SH3YL1は小胞同士をつなぎとめる活性を持つことを示唆するデータが得られた。細胞レベルでのノックダウン実験においても、SH3YL1がエンドソームどうしの凝集に関与する可能性を示唆する結果が得られた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Functional link between Rab GTPase-mediated membrane trafficking and PI4,5P2 signaling.2014

    • 著者名/発表者名
      Li, C., Kita, A., Hashimoto, Y., Ihara, M., Kato, A., Ogura, N., Doi, A., Oku, M., Itoh, T., Sakai, Y., Sugiura, R.
    • 雑誌名

      Genes Cells.

      巻: 19 ページ: 177-197

    • DOI

      10.1111/gtc.12123.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phosphatidylinositol 4-phosphate in the Golgi apparatus regulates cell-cell adhesion and invasive cell migration in human breast cancer.2014

    • 著者名/発表者名
      Tokuda, E., Itoh, T., Hasegawa, J., Ijuin, T., Takeuchi, Y., Irino, Y., Fukumoto, M., Takenawa, T.
    • 雑誌名

      Cancer Res.

      巻: 74 ページ: 3054-3066

    • DOI

      10.1158/0008-5472.CAN-13-2441

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phosphoinositides in the regulation of actin cortex and cell migration2014

    • 著者名/発表者名
      Tsujita, K., Itoh, T.
    • 雑誌名

      Biochim. Biophys. Acta

      巻: 1851 ページ: 824-831

    • DOI

      10.1016/j.bbalip.2014.10.011.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] F-BARドメインタンパク質による細胞運動の制御2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤俊樹、辻田和也
    • 学会等名
      第87回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2014-10-15
  • [学会発表] 細胞質型チロシンキナーゼFerと生体膜との相互作用の解析2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤俊樹、山本光、辻田和也
    • 学会等名
      第56回 日本脂質生化学会
    • 発表場所
      近畿大学東大阪キャンパス
    • 年月日
      2014-06-06

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公開日: 2016-06-01  

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