真核細胞が様々な生理プロセスを円滑に行うためには、主たるエネルギー源であるグルコースを効率的に取り込むことが必要である。グルコースは細胞膜上のグルコース輸送体を通って細胞内へと運ばれるが、本研究で我々は、分裂酵母をモデルとして、そのゲノム中に含まれる八つのグルコース輸送体の機能発現制御について解析した。ヒト血糖値程度の低濃度のグルコースを分裂酵母細胞が利用するためにはGht5輸送体が必須であることが判明した。さらにGht5輸送体の遺伝子発現と細胞膜局在は、進化的に酵母からヒトに至るまで保存されたCaMKK経路、TORC2経路の二つのシグナル経路によって制御されていることが明らかとなった。
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