走化性とは、細胞が示す細胞外化学物質の濃度勾配に沿った細胞運動の総称で、白血球が感染部位に集まるのがその代表例である。このような細胞では形態的に顕著な前後軸をもち、効率の良い細胞運動がおこなう。本研究ではこれらの分子基盤を探索し、低分子量Gタンパク質を介したTorC2-PDK-PKB(TPP)モジュールが細胞外シグナルのない状態でも活性化する、いわゆる自己組織化能をもつことで自発運動を制御し、これが走化性の細胞運度において重要であることを示した。また、その背後にある細胞膜上での分子動態の一端も明らかにした。
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