ショウジョウバエ成虫肢の付節形成過程では、3齢初期に隣接して発現する転写因子BarとDacが、Hippo経路の制御因子であるDsやFjの発現を制御することで局所的な細胞増殖を誘導し、それによるNubやRn、Apといった転写因子のタイムリーな発現により、BarとDacの発現が変化することで5つの付節が形成されることが明らかになった。このことは、領域特異的転写因子の発現の初期状態が設定されると、局所的に細胞増殖が制御され、それによってさらに領域特異的転写因子の発現が変化するという、領域特異的転写因子の発現制御と細胞増殖制御の間の密接な関係によって新たな領域が形成されることを示唆している。
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