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2014 年度 実績報告書

両生類胚における血島の分化制御に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24570234
研究機関新潟大学

研究代表者

前野 貢  新潟大学, 自然科学系, 教授 (10190315)

研究分担者 加藤 尚志  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80350388) [辞退]
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード骨髄球 / ゼノパス / モルフォリノ / 胚 / 転写因子 / 抗体 / 脊椎動物
研究実績の概要

本課題では、アフリカツメガエルにおける胚血島および造血の制御機構を理解することを目的として研究に取り組んできた。最終年度である平成26年度には、2つの大きな進展がみられた。第一に、骨髄球を特異的に検出することのできる抗mpo抗体を用いて、初期幼生(生後7日目、St.48)の中腎領域に骨髄球がクラスターを作って存在していることを見出した。このような骨髄球の集積はこれまでに報告がないことから、まずは、この骨髄球の胚体内起源を調べた。アフリカツメガエル亜種 Xenopus borealis胚をドナーとする組織移植実験をおこなったところ、尾部領域を移植した場合のみドナー由来のmpo陽性細胞が高い割合で観察された。従って、神経胚の尾部領域には、これまでに報告のない骨髄球の前駆細胞が存在していると結論された。本発見により、これらの新たな骨髄球が分化してくるしくみや、その生理学的な意義を明らかにすることが今後の新たな課題となった。第二に、骨髄球特異的に働くエンハンサー配列をネッタイツメガエルmpo遺伝子に同定し、その配列を用いたトランスジェニックガエルの作成をおこなった。F1世代の胚、幼生におけるGFPの発現分布を調べたところ、白血球共通マーカーであるXL2の陽性細胞の分布と一致性が示された。さらに、生きた幼生各組織内のGFP発現分布が明らかとなり、生体内の骨髄球の消長を詳しく解析することが可能となった。F1世代が成体となった現在、多数のトランスジェニック胚が得られるようになり、この胚をドナーとした移植実験が可能になりつつある。今後は、各種の処理を施した胚から組織移植をおこない、ドナー由来の骨髄球を追跡する実験をおこなう予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Cellular characterization of thrombocytes in Xenopus laevis with specific monoclonal antibodies.2015

    • 著者名/発表者名
      Yuta Tanizaki, Takako Ishida-Iwata, Miyako Obuchi-Shimoji, Takashi Kato
    • 雑誌名

      Exp. Hematol.

      巻: 43 ページ: 125-136

    • DOI

      10.1016/j.exphem.2014.10. 005.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Influence of artificially introduced N-glycosylation sites on the In vitro activity of Xenopus laevis erythropoietin.2015

    • 著者名/発表者名
      Kazumichi Nagasawa, Mizue Meguro, Kei Sato, Yuta Tanizaki, Nami Nogawa-Kosaka, Takashi Kato
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      ---

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nkx2.5 is involved in myeloid cell differentiation at anterior ventral blood islands in the Xenopus embryo.2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Sakata, Mitsugu Maeno
    • 雑誌名

      Dev. Growth Differ.

      巻: 56 ページ: 544-554

    • DOI

      10.1111/dgd.12155

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] アフリカツメガエルエリスロポエチン受容体を認識するモノクローナル抗体による血球細胞のフローサイトメトリー解析2015

    • 著者名/発表者名
      平田昭人,米塚友香,武藤洋史,藤山真吾,永澤和道,谷崎祐太,加藤尚志
    • 学会等名
      第67回日本動物学会関東支部大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2015-03-14 – 2015-03-14
  • [学会発表] Environmental responses of hematopoiesis in Xenopus laevis.2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Kato, Kazumichi Nagasawa, Takahito Okui, Yuta Tanizaki, Shun Maekawa
    • 学会等名
      The 8th International Symposium on Amphibian and Reptilian Endocrinology and Neurobiology
    • 発表場所
      National Institute for Basic Biology, Okazaki
    • 年月日
      2014-11-08 – 2014-11-08
  • [学会発表] 生物の進化と赤血球造血2014

    • 著者名/発表者名
      加藤尚志
    • 学会等名
      第76回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-11-02
  • [学会発表] ゼノパス卵母細胞特異的な発現に関わるエンハンサーの解析2014

    • 著者名/発表者名
      近藤 匠, 前野 貢
    • 学会等名
      日本動物学会第85回大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台市)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13
  • [学会発表] ツメガエル骨髄球特異的遺伝子のエンハンサーの同定2014

    • 著者名/発表者名
      野部 遼、坂田広之、前野 貢
    • 学会等名
      日本動物学会第85回大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台市)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13
  • [学会発表] リポ多糖を投与したアフリカツメガエル末梢血球のフローサイトメトリー解析2014

    • 著者名/発表者名
      八木美波,永井豊,木下紗也香,谷崎祐太,加藤尚志
    • 学会等名
      日本動物学会第85回大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台市)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13
  • [学会発表] 変態期におけるツメガエル肝臓の赤血球前駆細胞数の推移2014

    • 著者名/発表者名
      細沢咲湖,奥井武仁,小濱聖佳,佐藤圭,加藤尚志
    • 学会等名
      日本動物学会第85回大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台市)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13
  • [学会発表] Characterization of immature multipotent progenitors by cell transplantation in frog model. 43rd Annual Scientific Meeting of ISEH-Society for Hematology and Stem Cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Yuta Tanizaki, Yoko Mochizuki, Takato Otani, Takashi Kato
    • 学会等名
      43rd Annual Scientific Meeting of ISEH-Society for Hematology and Stem Cells
    • 発表場所
      The Hyatt Regency Montreal, Montreal, Canada
    • 年月日
      2014-08-21 – 2014-08-24

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公開日: 2016-06-01  

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