棘皮動物は左右相称動物に属しながら五放射相称という奇妙なボディープランをもつ。しかし、その体制がどのように進化したかは動物学の謎として残っている。Hox遺伝子複合体は左右相称動物の前後軸にそったパターン化を調節している。ウニ成体原基におけるその発現としらべることによって棘皮動物の前後軸を探り、3つの新知見を得た:(1) 棘皮動物の祖先的な前後軸情報は成体の消化管(口-肛門)にあるらしい、(2) 5本の腕は軸ではなく口の周りの突起とみなすべきである、(3) 五放射体制の形成には一部のHox遺伝子が軸情報としての機能を失い、放射状パターン化に転用されたらしい。
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