研究課題/領域番号 |
24570240
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
木下 勉 立教大学, 理学部, 教授 (30161532)
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研究分担者 |
森近 恵祐 立教大学, 理学部, 研究員 (30593074) [辞退]
久保 英夫 公益財団法人東京都医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (50178034) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アフリカツメガエル / Oct60 / 造血系前駆細胞 / 遺伝子破壊 |
研究実績の概要 |
これまでの研究により、著者らはアフリカツメガエルのOct4ホモログであるOct60が造血系前駆細胞で発現している可能性を示してきた。そこで平成26年度では、Oct60発現細胞の多能性、Oct60の遺伝子破壊が及ぼす造血への影響、Oct60とそのパラログ遺伝子であるOct25、91の発現の違いを検討した。 1.恒常的にGFPを発現するトランスジェニック個体の血液からOct60発現細胞を単離し、野生型胚の胞胚腔あるいは幼生の腹腔内へ移植した。移植個体を変態後の子ガエルまで発生させ、GFP蛍光を指標に移植細胞の発生運命を追跡したが、GFP蛍光を示す組織を検出することはできなかった。 2.Oct60の第一エクソンを標的としたTALENの合成RNAを受精卵の動物極側へ顕微注入した。注入個体を幼生期まで発生させてゲノム解析を行った結果、Oct60遺伝子の標的配列において高頻度に遺伝子破壊が起こっていることが確認できた。このOct60遺伝子破壊個体を変態終了後の子ガエルまで飼育し成体器官を調べた結果、生殖腺および肝臓の矮小化が認められ、血球数の著しい減少が確認された。 3. Oct25、91は原腸胚期から神経胚期にかけて発現し、胚葉形成に関わることが報告されている。その後の発現を調べた結果、幼生期に一旦検出されなくなったOct25と91は変態期の心臓、皮膚、消化管の組織再構築過程において遺伝子発現を再活性化させることがわかった。 以上の結果から、アフリカツメガエルのOct60は哺乳類のOct4と同様に卵母細胞および初期胚の未分化性制御に働く一方で、造血系前駆細胞の形成・維持に重要な役割を演じていることが示唆される。Oct60とそのパラログであるOct25、91はいずれも成体の組織形成と密接に関わるが、互いに発現する組織が異なり、パラログ間での機能分化が進行していることが示唆される。
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