両生類の頭部形成において、siamoisホメオボックス転写因子は母性Wntシグナルの標的として必要とされる。これは両生類系統の特殊性と考えられていたが、本研究において、原始的条鰭類ポリプテルスのsiamois相同遺伝子dioskouroiを発見し、機能解析を行った。結果として、dioskouroiはポリプテルスの頭部形成のみならず、体軸形成と内胚葉分化に必要とされる事が明らかとなった。この結果は、siamois関連因子の機能獲得が硬骨魚類と四肢動物の共通祖先までさかのぼれる事を示す。各動物種におけるsiamois関連因子は、転写因子としての機能は同じでも胚発生における役割は多様化している。
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