タンパク質の環境適応はアミノ酸配列置換によってもたらされるが、それは遺伝子上で起こった突然変異が淘汰された結果である。そのため突然変異の淘汰は環境に特有の選択圧のもとで行われると考えられる。つまりタンパク質適応進化について理解するには、選択圧の空間的な分布を検出することが重要となる。我々は階層ベイズモデルを通して、タンパク質表面における選択圧の空間分布を検出する方法を開発した。事前分布にポッツ模型を採用し、選択圧の空間集積性の強さと広さを決める超パラメータは周辺尤度を最大化することで決定可能である。この方法をインフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質に適用し、選択圧の空間分布を検出した。
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