研究課題
本研究は、アフリカに起源し、ユーラシアへ拡散していった狭鼻猿の進化と多様性を理解する一環として、アフリカとの比較を念頭におきつつ、東南アジア更新世における化石狭鼻猿の多様性を調査することから始まった。途中、タイ東北部ナコンラチャシマ近郊において中新世に遡る可能性のある大型類人猿化石が見つかったことから、平成26年度はタイで発見された大型類人猿化石に関する研究を主体とした。ナコンラチャシマ近郊からは10年ほど前に後期中新世のものと思われる大型類人猿の下顎化石が見つかっており、Khoratpithecus piriyaiと名付けられている。新たに見つかった化石は上顎であるため直接の比較はできないが、サイズや歯の全体的な形態から見ると、同類であってもおかしくないように思われる。ただ、年代推定の精度をあげるために、この類人猿化石と同じサンドピットから産出した他の哺乳類化石の同定作業を進める必要がある。この他に、タイのチェンマイ大学を訪問し、同大学に保管されているタイ北部や東北部産の哺乳類化石の標本調査を行うとともに、タイ北部で新生代後期の炭層が露出している炭坑を視察した
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Historical Biology
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