研究課題/領域番号 |
24570256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
平田 和明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50139648)
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研究分担者 |
長岡 朋人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20360216)
澤田 純明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10374943)
星野 敬吾 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30308506)
水嶋 崇一郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90573121)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 古人骨 / 関東地方 / 時代変化 / エナメル質減形成 / 齲蝕 / 古人口学 / 古病理学 / 刀創 |
研究概要 |
(1)聖マリアンナ医科大学に所蔵する人骨のリストを作成をした。(2)東京都一橋高校遺跡人骨および山梨県塩川遺跡人骨など近世人骨161体のエナメル質減形成の出現状況を調査し、減形成が町人階層のみならず武家階層にも高頻度で出現することを明らかにした。(3)神奈川県雨崎遺跡から出土した未報告の古墳時代焼人骨の整理作業をほぼ完了し、現在、成果報告を作成中である。(4)鎌倉市由比ヶ浜地域に所在する中世集団墓地遺跡青果市場地点は、1986年に鎌倉市教育委員会により調査が行われ,単体埋葬墓から中世人骨が出土した。未報告人骨の整理と記載を行い、中世鎌倉の人々の骨病変や人口構造を検証した結果、人骨の個体数は51体で、齲歯率は5%であり、縄文時代や江戸時代よりも有意に少なかった。特殊所見として、刀創を男性1体の左大腿骨6箇所・左脛骨5箇所、女性1体の頭蓋1箇所に認めた。(5)性別判定における大腿骨骨幹部の有用性について論じるため,大腿骨骨幹中央部断面形状の性的二型性について調査した。資料は愛知県保美貝塚遺跡出土の縄文人男性14体,女性17体,明治・大正期の関東地方人男女各21体の個体骨を用いた。断面計測ではマイクロCT装置を導入した。解析では断面特性値ごとにWilksのλと的中率を算出した。その結果,2集団とも大腿骨骨幹中央部では骨質断面積が男女を最も明瞭に区分しており(縄文人:λ= 0.230,的中率96.8 %,現代日本人:λ= 0.469,的中率85.7 %),ヒト骨格の性別判定で非常に有力な指標となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
古人骨のデータベース作成の基礎となる所蔵人骨リストを作成した。また、所蔵資料をもとに多くの分析を行い、鋭意成果をまとめている。
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今後の研究の推進方策 |
古人骨の台帳をもとに関東地方の縄文時代~近世の人骨の研究を遂行する。身体的な特徴の解明や骨病変の解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
聖マリアンナ医科大学の所蔵資料の整理のために人件費を計上した。また、人骨の整理や分析に関わる消耗品費を計上し、研究環境の充実をはかる。
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