研究課題/領域番号 |
24570261
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研究機関 | 大阪青山大学 |
研究代表者 |
中西 康人 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (50622669)
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研究分担者 |
伊東 太郎 武庫川女子大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40248084)
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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キーワード | 味覚感受性 / 運動強度 / 4基本味 / 血糖値 / 発汗量 / 深部体温 / 環境温 |
研究概要 |
異なる環境温で行う運動(50%強度の自転車こぎ運動)が味覚感受性に及ぼす影響についての検討を行った。被験者として健康な若年男性8名(年齢 20.6 ± 1.7才,身長 170.5 ± 5.2cm,体重 65.5 ± 12.1kg)を用い、運動条件は50%強度の自転車こぎ運動を25℃及び35℃の環境温でそれぞれ30分間行った。それぞれの環境温での運動前後で4基本味(甘味,塩味,酸味,苦味)に対する味覚検査(認知閾値検査)をテーストディスクを用いて行った。そして前年と同様に、運動に伴い変化する味覚感受性と密接に関連すると考えられる生理的指標(深部体温,血糖値,発汗量)との検索を行った。その結果、運動前後の血糖値変化と甘味感受性には負の相関傾向が25℃環境条件(R=0.413)、35℃環境条件共に見られた(R=0.337)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の実験を遂行するにあたり平成24年度の実験結果を再精査したところ、平成24年度研究報告書記載の内容(運動強度の強弱による味覚感受性の変化の程度差は見られず、運動後の血糖値変動と甘味感受性には負の相関関係があること)に加えて、50%強度の運動においては運動前後の体温変化(ΔT)と酸味感受性との間に正の相関傾向(R=-0.695)が見られた。しかしながら(測定部位を特定しやすいため平成24年度の実験においては濾紙法を用いて測定を行ったが、数名の被験者が濾紙を用いること及び、ピンセットにより濾紙を取り替えることに対しての不快感を呈したため、実験方法に対する被験者の不快感が味覚に影響する可能性を考慮して平成24年度の濾紙デスク法に変わり滴下法を用いた)本年度の実験においては体温変化(ΔT)と酸味感受性との間にそのような傾向は見られなかった。この点については再度精査する必要があると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
運動が味覚感受性に及ぼす影響に関する理解を深めるため、年齢推移を検討する。 被験者は健康な60歳前後の男性8名とし、運動強度は50%強度(心拍数より推定)、環境温度は25℃で自転車こぎ運動を行う。平成25年度と同じ方法および測定間隔で、血糖値、深部体温(舌下温)、総発汗量、心拍数をそれぞれ測定する。得られたデータをもとに、味覚感受性と深部体温・血糖値・発汗量との対応関係を四基本味ごとに分析し、若年者の実験結果と比較し、年齢推移を検討する。味覚感受性の年齢推移に影響する要因を検証するため、高齢者の食事調査を実施し、栄養摂取状況と味覚感受性の年齢推移が関連するのか否かを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費が当初予定額より少なくて済んだために剰余額が生じた。 本年度は海外で学会発表を行うため、多額の旅費が必要となる。剰余金を海外への旅費にあてて使用したいと考える。
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