本研究では様々な自然由来のにおいに対する乳児の反応についてデータを蓄積するとともに,同一被験者の経時的な反応の変化を明らかにすることを目的とした。被験者は52名の男女乳児(日齢73.3±19.9日)とし(この人数には平成22~23年度に実施した挑戦的萌芽研究における被験者も含む),各種においを呈示した際の脳活動,心拍数,心拍変動性,唾液アミラーゼ活性を連続的に測定した。結果としてα-ピネンのにおい呈示により乳児の心拍数が有意に低下した。また,2週間ごとに測定を繰り返したところ,におい呈示時の心拍数が測定を繰り返すにつれて有意に低下することが明らかとなった。
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