根こぶ病抵抗性modifier座Crr2の候補領域約18kb内に見出された4つのORFについて、罹病性系統の塩基配列を決定し、ORF間にindelマーカーを設計した。根こぶ病抵抗性系統と罹病性系統の交雑F2から、Crr1座を有し、Crr2の候補領域内で組換えを起こした個体を選抜し、F3を採種した。各F2に由来するF3を根こぶ病抵抗性検定に供試し、F3個体のマーカー遺伝子型と根こぶ病抵抗性表現型の関係から、標的遺伝子が存在する領域を約5.9kbにまで絞り込んだ。この領域にはORF3とORF4の2つのORFが存在した。ORF3の罹病性ゲノムには3’非翻訳領域に約1.6kbの挿入と15アミノ酸の置換が認められたが、抵抗性系統と罹病性系統で発現していた。ORF4についてみると、罹病性ゲノムでは5’非翻訳領域、エクソン1、エクソン2の一部を含む領域に約591bpの欠失が認められ、発現は抵抗性系統のみで認められた。以上の結果から、この2つのORFが候補遺伝子あると考えられた。機能証明のために、両ORFのゲノム断片をCrr1aプロモーターの下流に連結した遺伝子を構築し、コマツナへの形質転換を開始し、ORF4については形質転換体を得ることができた。
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