ダイズ栽培が土壌を肥沃化するか、収奪するかは、未解決の問題であった。そこで、根粒着生ダイズと非着生ダイズを用い、トウモロコシと比較の上、土壌の窒素供給力の変化を調べた。その結果、ダイズは栽培終了後に多くの可給態窒素を土壌に残し、根粒着生ダイズ>根粒非着生ダイズ>トウモロコシの順であった。土壌団粒構造の破壊程度と総呼吸量の増加も同様の順であり、ダイズは土壌団粒の破壊と微生物バイオマスの増加を通して土壌窒素の無機化を促進したと考えられた。また、ダイズ栽培後のオオムギの生育は、トウモロコシ跡より優れ、それは窒素吸収量の差によった。これらは、年次間差があるが、3年間について確認できた。
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