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2014 年度 実績報告書

アーバスキュラー菌根菌に対するイネ科作物の生育応答に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24580020
研究機関龍谷大学

研究代表者

畑 信吾  龍谷大学, 経営学部, 教授 (40238001)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアーバスキュラー菌根菌 / イネ科作物 / イネ / 生育応答 / 系統間差
研究実績の概要

本研究は、アーバスキュラー菌根菌が共生した際のイネ科作物の生育応答に着目したものである。初年度(平成24年度)では、菌根菌が感染すれば生育が抑圧される傾向が強いオオムギやコムギにおいて、菌根菌からのリン酸吸収に主要な役割を果たすリン酸トランスポーター遺伝子を初めて同定した。また、意外なことに、生育抑圧をうけるムギ類においても、それらリン酸トランスポーター遺伝子は高レベルで発現していることを明らかにした。次年度(平成25年度)では、酵母変異株に上記ムギ類リン酸トランスポーターを発現させることにより、リン酸輸送活性の測定を試みた。しかし、いつの間にか酵母の性状が変化したらしく、活性検出には至らなかった。また、圃場におけるイネの菌根菌感染を調べたことがきっかけとなり、イネ系統によって生育応答に差があるとの予備的な結果を得た。
そこで最終年度(平成26年度)に「世界のイネコアコレクション」のうち64系統のイネ苗の生育に対する菌根菌の影響を調べたところ、あるインド型イネ系統が最も高い正の応答を示した。一方、代表的な日本型イネ系統である日本晴は菌根菌に対する生育応答をほとんど示さなかった。この違いを探るために、上記2系統の苗における無機養分含量を比較したところ、菌根菌共生によって2系統ともP, N, S, Mg含量が増加し、Fe, Cu, Zn, B, Al含量が低下した。すなわち、菌根菌に対する生育応答におけるイネの系統間差には未知の機構がはたらいていると思われ、これら2系統を用いた将来のQTL解析によってその機構が解明される可能性が出てきた(論文投稿中)。
このほか最終年度では、イネ・菌根菌共生を用いた実験により、菌根菌体内のトリグリセリド油滴生成機構に関する新知見を得た。また、菌根菌が細胞壁成分であるN-アセチルグルコサミンを再利用する機構も解明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Up-regulation of genes involved in N-acetylglucosamine uptake and metabolismsuggests a recycling mode of chitin in intraradical mycelium of arbuscular mycorrhizal fungi2015

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Kobae, Miki Kawachi, Katsuharu Saito, Yusuke Kikuchi, Tatsuhiro Ezawa, Masayoshi Maeshima, Shingo Hata and Toru Fujiwara
    • 雑誌名

      Mycorrhiza

      巻: 25 ページ: 00-00

    • DOI

      10.1007/s00572-014-0623-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lipid Droplets of Arbuscular Mycorrhizal Fungi Emerge in Concert with Arbuscule Collapse2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Kobae, Caroline Gutjahr, Uta Paszkowski, Tomoko Kojima, Toru Fujiwara and Shingo Hata
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 55 ページ: 1945-1953

    • DOI

      doi:10.1093/pcp/pcu123

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Soybean Mycorrhiza-Inducible Phosphate Transporter Gene, GmPT7, also Shows Localized Expression at the Tips of Vein Endings of Senescent Leaves2014

    • 著者名/発表者名
      Yuki Inoue, Yoshihiro Kobae, Eiji Omoto, Aiko Tanaka, Mari Banba, Shoko Takai, Yosuke Tamura, Aya Hirose, Kunihiko Komatsu, Shungo Otagaki, Shogo Matsumoto, Mitsutaka Taniguchi, Chikara Masuta, Masao Ishimoto and Shingo Hata
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 55 ページ: 2102-2111

    • DOI

      10.1093/pcp/pcu138

    • 査読あり
  • [学会発表] ダイズにおけるアーバスキュラー菌根菌共生について2015

    • 著者名/発表者名
      畑 信吾
    • 学会等名
      日本作物学会第239回講演会
    • 発表場所
      日本大学生物資源科学部湘南キャンパス(神奈川県藤沢市)
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-28
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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