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2014 年度 実績報告書

イネが持つ新規Rubisco小サブユニットOsRbcS1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24580021
研究機関神戸大学

研究代表者

深山 浩  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60373255)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード光合成 / 炭素同化 / イネ / 地球温暖化 / 酵素特性 / 遺伝子組換え / ルビスコ
研究実績の概要

炭酸固定を担うRubiscoの小サブユニット遺伝子はイネにおいて5つある.そのうちOsRbcS1は他の4つとアミノ酸配列が大きく異なり,光合成器官の葉身で発現しないことがわかった.OsRbcS1は葉鞘の基部の維管束周辺や葯などで発現しており,実際にRubisco大サブユニットと会合して機能的なRubiscoを形成していた.
このOsRbcS1を通常発現していない葉身で高発現する形質転換イネを作出したところ,Rubiscoの触媒速度,CO2に対するミカエリス定数が増加した.このようなOsRbcS1が組込まれたRubiscoの酵素特性は,今後の高CO2環境で有利と考えられることからイネの光合成能力の改良に有効である.しかし,OsRbcS1高発現形質転換イネの光合成は高CO2条件でも増加しなかった.高CO2条件ではRubiscoが過剰となるので,Rubisco含量を適度に減少させる必要があると考えられた.そこで,ソルガムRbcS高発現イネで発現するイネRbcSをRNAiでノックダウンすることを試みた.多数の2重形質転換イネが得られ,現在ホモ系統の選抜を行っている.
OsRbcS1の代謝的な機能を明らかにするために,OsRbcS1のRNAiノックダウン形質転換イネの作出を行った.OsRbcS1のノックダウンはイネの生育,光合成,メタボロームに大きな効果は及ぼさなかった.これらの結果,OsRbcS1働きは生育や光合成に影響を及ぼすほど多きくはないことが示唆された.
ゲノムデータベースを探索すると様々な植物がOsRbcS1様の遺伝子を持つことがわかった.トマト,ミヤコグサにおいてOsRbcS1様遺伝子の発現解析を行ったところ,未熟な果実や花器官において発現が強く,葉では発現していないことが分かった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Small subunit of a cold-resistant plant, timothy, does not significantly alter the catalytic properties of Rubisco in transgenic rice.2015

    • 著者名/発表者名
      Fukayama H., Koga A., Hatanaka T., Misoo S,
    • 雑誌名

      Photosynthesis Research

      巻: 124 ページ: 57-65

    • DOI

      10.1007/s11120-015-0085-1

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Unusual small subunit that is not expressed in photosynthetic cells alters the catalytic properties of Rubisco in rice.2014

    • 著者名/発表者名
      Morita K., Hatanaka T., Misoo S., Fukayama H,
    • 雑誌名

      Plant Physiology,

      巻: 164 ページ: 69-79

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1104/pp.113.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Effect of free-air CO2 enrichment (FACE) and soil/water warming on leaf photosynthetic parameters in rice.2014

    • 著者名/発表者名
      Adachi M., Hasegawa T., Fukayama H., Tokida T., Sakai H., Matsunami T., Nakamura H., Sameshima R., Okada M.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiology

      巻: 55 ページ: 370-380

    • DOI

      10.1093/pcp/pcu005

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional analysis of Rubisco activase-like protein, OsRca2 in rice.2015

    • 著者名/発表者名
      小林亜希子,畠中知子,三十尾修司,深山浩
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      東京農業大学(東京都)
    • 年月日
      2015-03-16 – 2015-03-18
  • [学会発表] C3植物のC4化:Rubiscoだけでも役に立つ?2014

    • 著者名/発表者名
      深山浩
    • 学会等名
      日本植物学会シンポジウム
    • 発表場所
      明治大学(神奈川県)
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
    • 招待講演
  • [学会発表] イネ高活性型Rubisco小サブユニット遺伝子OsRbcS1のオーソログの発現解析2014

    • 著者名/発表者名
      森田 耕一, 畠中 知子, 三十尾 修司, 深山 浩
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      愛媛大学(愛媛県)
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-10

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公開日: 2016-06-01  

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